魔女とクリスマス

12月の祭りといえばクリスマス!
「Ⅹ」はギリシャ語でキリストを意味する「Ⅹristos」の頭文字、
「Ⅹristos」とは「油を注がれたもの=救世主」です。
「mas」も同じくギリシャ語で「祭日」または「ミサ」「礼拝」の意味があり、
2つを合わせて「キリスト降誕祭」となります。

日本では
「キリスト教徒でもないのにクリスマスだからとどんちゃん騒ぎをするのは変じゃない?」
などの意見も聞きますが、そもそもクリスマスはキリスト教から発祥したものではないのです。

古代ケルト人やローマ人の間では、太陽を崇める「冬至の祭り」がありました。
冬至の暦では「冬至」が12月25日にあたっていたようです。
「冬至」とは一年中で夜が一番長い日
翌日からは太陽の照る時間がどんどん長くなっていく節目の日です。
作物を作っていた人々にとっては、これまでの収穫を祝い、
翌日からまた太陽の恩恵を蒙る「大切な日」だったのです。

ところがその後、キリスト教が台頭してきて布教をしていくうえで、
これまでのこの収穫祭をうまく利用して「キリスト降誕祭」としてしまいました。
聖書にはイエスが12月25日に産まれたとの記述はありません。
またギリシャ正教会では、現在のグレゴリオ暦ではなくユリウス・カエサルが考案
したとされているユリウス暦を使っているので、1月7日を降誕祭としています。

キリスト教におけるクリスマスの話は、これくらいにしておいて、魔女のお話です。
キリスト教からは敵対視されている魔女ですが、(敵対視されているのはサタン??)
クリスマスと魔女を関連付けた風習がいくつか残っているようです。

北欧ノルウェーではクリスマスイブには家じゅうのホウキを隠すという慣習があります。
クリスマスイブに魔女がきてホウキを盗んでいってしまう、
という言い伝えがあるため、ということのようです。

スウェーデンではクリスマスの事を「「ユール」と呼びます。
「ユール」とは夜が一番長くなる日、つまり「冬至」のこと。
魔女の祭りであるサバトは年に8回あるのですが、「ユール」はサバトの1つです。

イタリアでは、キリストの降誕を祝うためにベツレヘムに向かっていた
東方の3人の博士が道に迷いそうになり、その時にベファーナという魔女に
道を尋ねたのですが、とってもそっけなくあしらわれてしまいました。
が、その後、ベファーナは考え直して、自分もお祝いに行ってご加護を受けようと
博士たちの後を追ったのですが、追い付くことができませんでした。
そのため、産まれたばかりの赤ちゃんがいる家を一軒一軒まわっては、
その赤ちゃんがイエスであることを願ってお菓子を置いて行ったといわれています。
なので、イタリアでは今も、クリスマスにプレゼントをもってきてくれるのは
サンタクロースではなく魔女のベファーナだ、ということです。
サンタクロースと違うのは、すべての子供たちにお菓子やプレゼントを配ったわけではなく、
悪い子にはお菓子にみせかけた「炭」がプレゼントされたそうです。

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